福岡家庭裁判所飯塚支部 昭和41年(少イ)3号 判決 1966年11月15日
被告人 園山芳枝
綾垣栄
橋本長
主文
被告人等をそれぞれ罰金五、〇〇〇円に処する。
右罰金を完納することができないときは金五〇〇円を一日に換算した期間当該被告人を労役場に留置する。
訴訟費用は被告人等の連帯負担とする。
理由
(罪となるべき事実)被告人園山芳松は福岡県公安委員会の許可を受け直方市明治町において「大栄パチンコ店」を経営しているものであり、被告人綾垣栄および同橋本長はいずれも被告人園山の使用人であるところ、被告人綾垣および同橋本の両名は共謀の上
第一、被告人園山の前記パチンコ店の業務に関し
(一) 法定の除外事由がないのに、昭和三九年五月頃から同年八月下旬頃までの間、一八歳に満たない児童である小○川フ○子(昭和二六年二月二一日生)を午前九時開店から午後九時閉店まで中食と夕食のための各一五分ないし二〇分位の休息時間以外はパチンコ台裏側ボックスにおいて殆んど立ちづくめで客の求めに応じてパチンコ台に玉を入れたり、おろしたりし、客の暴言を受けながら作業する等、児童の心身に有害な影響を与える行為をさせる目的で前記パチンコ店に住み込ませ、もつて同女を自己の支配下に置いた、
(二) 法定の除外事由がないのに、昭和四〇年二月頃から同年九月下旬頃までの間、一八歳に満たない児童である右小○川フ○子を前同様の目的で前記パチンコ店に住み込ませ、もつて同女を自己の支配下に置いた、
第二、事業主たる被告人園山のため前記第一(一)および(二)の期間中一八歳に満たない右小○川フ○子を前記パチンコ店の従業員として使用しながら、その年齢を証明する戸籍証明書を同店の事業場に備えつけなかつた
ものである。
(証拠の標目)(編略)
(法令の適用)
判示第一(一)および(二)の各事実、刑法第六〇条(但し、被告人園山を除く)児童福祉法第三四条第一項第九号、第六〇条第二項、被告人園山に対しさらに同法第六〇条第四項(被告人綾垣および同橋本につきそれぞれ罰金刑選択)
同第二の事実、刑法第六〇条(但し被告人園山を除く)労働基準法第五七条第一項、第一二〇条第一号、被告人園山に対しさらに同法第一二一条第一項
併合罪の加重、刑法第四五条前段、第四八条第二項 労役場留置、同法第一八条
訴訟費用の負担、刑事訴訟法第一八一条第一項本文、第一八二条
そこで主文のとおり判決する。
(裁判官 江藤盛)